私たちについて

山脈

今から遡ること二十年ほど、クライマーがまだニューヨークの岩場ガンクスを積極的に開拓していたころの話です。岩場近くには二人のクライマーが所有する家があり、そこには象徴的な紫色のカウチ(ソファ)がありました。岩場を開拓し、さらに新しい岩を求めてはさまよい、プロジェクトに打ち込む間、毎晩のように地元のクライマーたちはその家に集まりました。家は活気に満ちていました。誰もがお互いを知っていて、それぞれを通じてさらに新しいクライマーが紹介され、歓迎されました。月日は流れ、今ではその家もなくなってしまいましたが、ニューヨークの一部のクライマーにとって、今でもその家は黎明期のクライマーのコミュニティと、古き良き時代の象徴として輝いています。 そしてみなで集まり、お酒を飲んでいると誰かが言い出すのです。「あの紫のカウチのある家を覚えてる?」

 

友人のハンスから初めてこの話を聞いたとき、「そんな本物のコミュニティがあったんだね」と言ったことを覚えています。もちろん彼もあくまで噂話、伝説のひとつとして人伝てに聞いただけでした。その時わたしは長年住んだニューヨークを離れ、日本に帰国しようというころで、今まで幸運にもニューヨークのクライミングコミュニティに迎え入れてもらえたこと、そして大切なクライマーの友人たちとつながりを保つために、日本でこのようなものを再現したいと思っていました。それから数日後、ニューヨーク最大のジムであるクリフスでルートセッティングのディレクターを務めるPJに、その紫のカウチのある家について何か知っているかどうか尋ねました。ほんの一瞬、彼は少し驚いたように見え、笑って私に「それ、俺の家の俺のカウチだよ!」と言いました。それは私が自分の将来のジムを「パープルカウチプロジェクト(PCP)」と呼ぶことに決めた瞬間でした。

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私たちの目指すところ

コロナウィルスが猛威をふるう最中にあって、私たちの多くは、普通に友人とクライミングができること、そして自分の居場所として落ち着くコミュニティがあることがいかに幸せであるかを再認識させられました。 いかに出来のいいクライミングウォールを自宅に作ろうとも、私たちそれぞれの行きつけのジムの代わりとはなり得ません。この感染拡大は、コミュニティというものの必要性を否定するのではなく、むしろ強調しました。 PCPはクライミングブランド、ジムとして始まりますし、クライミングは今後も常に私たちの核心ですが、私たちの究極の目標はコミュニティを繋げ、世界に広がっていくことです。私たちの目指すところとは、簡潔にいえば、それぞれの人が見識を広めやすい世の中にすることです。その第一歩として、あらゆる人を歓迎できるジムを日本に作りたいと考えています。

Our immediate goal is to open a climbing gym in Japan, which is going to be our basecamp. We are planning to have a place to stay, and eventually a bar and cafe as well. The location is good for climbers because if you drive for two hours or less you get to many of the famous crags.

(To be continued)